Up 男女不平等の論理 作成: 2023-03-14
更新: 2023-03-14


    この社会では,男女不平等は悪である。
    タリバンみたいのは絶対悪である。

    科学では,悪は存在しない。
    科学では,存在は相対性になるからである。
    存在するものには,存在する理由がある。
    存在には論理がある。

    悪をつくるものは,イデオロギーである。
    イデオロギーは,存在の相対性を見ないものである。
    自分の存在を絶対善にすることから,自分以外の存在が悪になるのである。
    科学は,この思考回路を退けることになる。

    なぜ男女不平等が存在してきたかは,考えれば小学生でも(?)わかる。
    男女不平等がわからないのは,考えたことがないからである。
    考えたことがないのは,思考回路がイデオロギーだからである。
    イデオロギーの思考回路は,<考えない>という思考回路である。
    イデオロギーの思考回路は,<信じる>である。


    なぜ男女不平等が存在してきたか?
    タリバンはなぜ男女不平等なのか?

    生物の進化は,性をつくった。
    さらに,性から多様な性差が進化した。
    そして,男女不平等の進化があった。

    男女不平等は,営巣する動物種において一般的である。
    営巣は,競争である。
    巣は,戦いに勝って獲得・保守するものである。
    この<戦いに勝つ>の圧力が,男を戦士に特化する動物種を進化させることになった。
    ヒト種は,この類ということになる。


    男女不平等は,男は戦い,女は兵士と生産者をつくるという役割である。
    翻って,男女平等が唱えられるのは,平和の時である。
    男女平等が唱えられる時節は,ひとが平和をあたりまえにしている時節である。

    実際,男女平等は,平和イデオロギーがこれを唱える。
    平和イデオロギーは,平和をあたりまえとするイデオロギーである。
    「戦争は悪が起こすものであって,善につけば戦争は起こらない。」
    これが平和イデオロギーである。


    「平和」をイデオロギーというのは,多くの動物種において戦争が自然だからである。
    その戦争は,自然である。
    そこに悪のようなものは立てられない。

    これを敷衍すると,タリバンも別のものに見えてくるはずである。
    武士の時代の日本を思うのもよし。
    それはタリバンである。
    タリバンを絶対悪に定めているものは,平和イデオロギーである。
    科学は,この平和イデオロギーを相対化する。


    男女平等・男女不平等は,是非の話ではない。
    平和の時節は男女平等になり,戦争の時節は男女不平等になる──それだけのことである。

    以上,考えれば小学生でも(?)わかることを,改めて述べた。