企業は優秀な人材が欲しい。
優秀な人材は,この時代,日本人にこだわる必要はない。
日本人は外国語がだめなので,企業のグローバル展開のためには外国人の方がよい場合もある。
また日本人は数理や IT に弱いので,これに強い外国人を人材として積極的に求めることになる。
人材を育てるのがたいへんなのと比べて,人材ハンティングは効率がよい。
よって,外国人採用は益々大きな流れになっていく。
企業が優秀な人材として採用した外国人は,就労ビザの資格で仕事に就く。
そしてこれを10年続けると,日本永住権を取れる。
そしてそのまま日本に住めば,子どもの国籍を日本に変更するかも知れない。
日本人は,移民に対し概して寛容である(註)。
そして移民は,多くが上に述べた事情で日本に入ってくるので,優秀である。
こうして日本は,大都市を中心に,移民の国になっていく。
「少子化」を国の危機と思っているのであれば,日本が移民の国になることはよいことである。
日本人にこだわるのは,意味がない。
実際,日本人にこだわれば,「日本人って何だ」の話になる。
ひとが移民を嫌うとすれば,理由はつぎの2通りになる:
- 移民に日本の秩序が壊される。
- 移民に日本人が負かされる (移民に仕事をとられる)。
aについては,「同調圧力からの解放がやってきた」と思えばよい。
bについては,「どうせ少子化なんだから」と思えばよい。
いずれにせよ,日本の中心の東京が,「数人に1人が外国人」のステージに入って来ているのである。
よしとすべし。
註:例外は,因習的な地方と学校である。
つぎは,この2つが合わさった場合:
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毎日新聞, 2023-03-28
黒人伝統の髪形は校則違反?
隔離された卒業生「返事もできず」
兵庫県姫路市の県立高校が2月に開いた卒業式で、3年の男子生徒(18)=当時=が髪形を理由に卒業生用の席に着席することを認められなかったことが判明した。
「友人との3年間を締めくくる思い出づくりができなかった」。黒人である父のルーツを踏まえた髪形だったが、学校側の答えは「校則違反」。多様な背景を持つ子どもが増える中、専門家は「子どもを抑え付けるのではなく人権尊重を」と呼び掛けている。
教師「校内から出てくれ」
生徒は卒業式を「特別な日」と考え、巻き毛である髪質でも整って見えるよう髪を編み込んだ。「コーンロー」と呼ばれ、アフリカにルーツを持つ黒人文化の伝統であることをインターネットで調べ、父親からも話を聞いていた。
父親によると、コーンローは自分たちの髪質のままで清潔感のある髪形として、米国では黒人の子どもや女性にも浸透している。
だが、学校側は認めず、生徒を他の生徒がいない2階席に隔離。名前を呼ばれても返事しないように念押しした。生徒は「式にいる意味がない」と考え、両親とともに式の途中で帰宅した。
生徒はその後、卒業証書や記念品を受け取るため、制服姿で学校に戻った。その際も他の生徒のいない部屋に通され、トイレに行くときにも教師が付いてきた。
卒業証書などを受け取った後、校内で友人を待っていると、教師から「校内から出てくれ」と言われた。生徒は「『おまえの特別な日じゃない』と言われているようで悔しかった。(髪形は)父のルーツであり、黒人としての文化なのに」と振り返る。
校則に明記なし
息子の晴れ舞台を楽しみにしていた両親も学校の対応に疑問を投げかける。式当日、両親は「息子さんの髪形では参加させられません」と教頭から説明を受けた。理由を尋ねても、教頭は「本人はルールが分かっているはずだ」と繰り返すばかりで、明確な根拠を示さなかった。
同校の校則は髪形について「流行にとらわれず、あくまでも高校生らしい清潔なもの」と規定。男子は「目や耳、襟にかからない」との基準がある。染色や脱色、ドライヤー加工などを禁じているが、編み込みについては明記していない。
毎日新聞は、生徒の髪形のどの点が違反していたか質問したが、教頭は「今まで指導してきたのと違うということだ」と回答するだけだった。その上で、「伝統的髪形を否定しているわけではなく、髪質に応じた指導をしてきた。別の場所で出席させるということで、生徒が卒業式に出席できなかったわけではない」と話した。
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いつものことだが,新聞は「専門家」にトンチンカンなことを言わせる:
これは「人権」の話ではない。
「学校とはこんなところだ」
という話である。
学校は,同調を仕込むところである。
「大人」とは同調を仕込まれた者のことであるが,これが学校のアウトプットである。
同調しない者を排除するのは,学校の本来の機能なのである。
ということで,学校に思い入れをもつことが,そもそも間違いなのである。
テキトーに対し,速やかにスルーすべし。
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