Up 地方の衰退は, 「職業選択の自由」の含蓄 作成: 2023-03-25
更新: 2023-03-25


    地方の衰退は,<何か異常なことが起こっている>ではない。
    当然こうなるということが起こっているだけである。
    地方が衰退しないことの方が,<何か異常なことが起こっている>なのである。


    地方の衰退は,地方からの若者の流出である。
    ここで「若者」の意味は,「労働力人口」である。

    地方が保たれていたのは,地方を保たせる強制があったからである。
    それは,職業を固定する制度である。
    職業の固定は,<移動させない>になる。

    この制度は,やがて廃止されることになる。
    「職業選択の自由」になったのである。

    こうして地方に縛られる理由は無くなった。
    縛られる理由が無くなれば,地方は特段択んで生活するところではなくなる。
    実際,若者にとって,地方は因習で縛られるところでしかない。


    地方の衰退は,いま始まったことではない。
    「職業選択の自由」とともに始まったのである。
    ただ,物事は漸進的に進行する。
    特に,ひとは自由が苦手なので,「職業選択の自由」は熟成するまでに時間がかかる。
    そしていまが,「地方の衰退」がはっきり見えるようになったステージというわけである。