Up 地方は,グローバリズムで消滅する 作成: 2023-03-11
更新: 2023-03-11


    地方は,生産するところである。
    都市は,生産物の商いをするところである。

    地方の衰退の中身は,生産の衰退である。
    生産が衰退したのは,グローバリズムを掲げて,地方を国外に求めてきたからである。
    国内ではなく国外に地方を求めたのは,「生産物は,国外物の方が商いをするのに有利」と定めたからである。

    「グローバリズム」の意味は,「代わりはいくらでもいる」である。
    生産者の代わりはいくらでもいるというわけで,グローバリズムでは商いをする者が生産者の上に立つ。
    そして商いは,「利己的な資本」に支配されるものであって,もともと無国籍である。

    こうして,自国の地方は衰退の一途となった。


    翻って,地方再生は,グローバリズムの行き詰まり──「生産物は,国外物の方が商いをするのに有利」の終焉──が必要である。
    現在,この兆しがちょっと見えている。

    しかし,商いは日和見である。
    政治も日和見である。
    生産者は,商いと政治の気まぐれに翻弄されるのが定めである。
    そしてその度に,生産者をやめる者が出てくる。


    地方は,上向いても,見通しの無い低空飛行以上の形にはならない。
    尤も,低空飛行も,あながち悪いものでもない。
    ひとは「繁栄」を良いことのように思っているが,そうではない。
    繁栄の裏面は,災厄である。
    繁栄が大きいことは,災厄が大きいことなのである。