Up 自然選択のしくみ 作成: 2019-04-23
更新: 2019-05-02


    畑作の除草を考える。

    雑草の種Aに,目立つものと目立たないものがある。
    除草においては,目立つもののみが引き抜かれる。
    引き抜かれた後には,再びAが生える。
    目立つものは,確率pで発生する。
    除草は,年間n回行う。

    このとき,目立つものの全体に対する比は,つぎのように推移する:
最初  p
第1回除草後  p×p
第2回除草後  p×p×p
k年後  pn×k+1
    例えば,p= 0.9, n=5 だと,
最初  0.9
1年後  0.53
2年後  0.31
5年後  0.06
10年後   0.005 

    さらに,同類の個体数の減少は,同類の繁殖を困難にする。
    こうして,目立つものは急速な減少のループに入って行き,ついに絶滅となる。
    雑草Aは,目立たないものに完全に置き換わるわけである。

    かように,進化は長い時間を要するというものではない。
    比較的短時間でも起こり得るものである。

    しかも,Aはこれで安定となったわけではない。
    環境は変化する。
    環境の変化は,Aのなかに新たな個体差を顕在化する。
    そしてここから,「適者淘汰」の新たな行程が開始される。


    以上は,<一つの種のなかの2類>でストーリーをつくったが,<生存場所を取り合う関係にある2種>についても同じことが言える。 ──この場合は,「種の絶滅」ストーリーとなる。