Up CRISPR/Cas9 作成: 2018-05-14
更新: 2018-05-21


CRISPR

  • 理論
    • CRISPR/Cas には type I、II、III があり,ゲノム編集で用いるのは type II。
    • 要素
      • crRNA (CRISPR RNA)
      • tracrRNA (trans-activating RNA)
      • RGN (RNA-guided nuclease)
    • crRNA と tracrRNA は,つなげて用いる。
      racrRNA-crRNAキメラ を,ガイドRNA (gRNA) または single RNA (sgRNA) と呼ぶ。
    • RGN として,化膿レンサ球菌 (S. pyogenes) 由来の Cas9 ヌクレアーゼを用いる。
    • ガイドRNA・Cas9 複合体は,PAM の前の 20塩基を標的化し,それが crRNA と相補的な配列ならば切断する。
      切断個所は,PAM より3nt 上流。
      PAM は「NGG」──ここで「N」は,AGTCのどれか (aNy)。
      即ち,ガイドRNA・Cas9 複合体は,グアニンが2つ並ぶ配列を探す。
      (PAM については, CRISPR

Mali P, Yang L, Esvelt KM, Aach J, Guell M, DiCarlo JE, Norville JE, Church GM. : RNA-Guided Human Genome Engineering via Cas9. Science. 2013 Feb 15;339(6121) :

  • 手順
    1. 切断したいゲノムDNA と相補的な crRNA (CRISPR RNA) を作成する。
    2. crRNA に tracrRNA (trans-activating crRNA) をつなぐ。
    3. ガイドRNAと cas9 (ヌクレアーゼ) の複合体を作成。
    4. これを細胞の核内へ導入
    5. 複合体は,標的の配列を探す。
      探し当てたら,その箇所でゲノムDNAを切断する。
    6. 切断は,細胞に DNA 修復を促す。
      「修復」は,「非相同末端結合」がこれの形になる──末端の接合部において変異が起こる。


Doudna, J.A.『CRISPR──究極の遺伝子編集技術の発見』, p.131:

  • 用途
    • 遺伝子ノックアウト
    • 遺伝子発現制御
        CRISPR の切断機能を不活性化し,細胞内の特定の遺伝子にペイロード (遺伝子の発現方法に影響を与えるタンパク質分子) を送達
    • 配列書き込み (「ゲノム編集」)
        標的配列を含むドナーベクターを一緒にトランスフェクションすると,相同組換え (HDR) によりその配列をノックインすることができる

  • CRISPR ツールボックス──CRISPR が組み込まれた人工染色体 (プラスミド)
    • https://www.addgene.org/crispr/

  • 問題:
    • オフターゲット