Up 集団遺伝学 作成: 2018-01-16
更新: 2018-01-22


  • 種分化
    • 異所的種分化
    • 周辺種分化
    • 側所的種分化
    • 同所的種分化

  • 進化の総合説
    • 自然選択 (natural selection)
      • ニッチ
      • 集団構造
      • 事件・天変地異
    • 遺伝子のダイナミクス
      • 突然変異 (mutation)
      • 遺伝的浮動 (genetic drift)
      • 遺伝子流動 (gene flow)
      • 遺伝的組み換え (recombination)

  • 遺伝的浮動 (genetic drift)
    • 子世代における対立遺伝子 (allele) は,親世代の対立遺伝子からの無作為抽出で決定される
    • 集団中の遺伝的多様性
        「子世代における対立遺伝子は親世代の対立遺伝子からの無作為抽出で決定される」により,生物集団中の対立遺伝子頻度 (allele frequency) が計算できることになる
        集団が小さいと,対立遺伝子の偏りが増幅される──遺伝的変異が起こる。
        集団が大きいことは,対立遺伝子の偏りがつねに抑え込まれ,遺伝的変異は集団から取り除かれる,ということ。
    • この「無作為抽出の効果によって生じる,遺伝子プールにおける対立遺伝子頻度の変動」を,「遺伝的浮動」と謂う。
    • ボトルネック効果
    • 創始者効果

  • 偶然説
    • 「遺伝的浮動」の含蓄
        「個体が生殖可能年齢まで生き残り、繁殖に成功するか否かは全て偶然によって決定されている」

  • 平衡推移理論
    • 周縁遠隔種分化
    • 断続平衡説

  • 断続平衡説
      (千葉 聡『歌うカタツムリ』, pp.118-122 から (要約)
    • 新しい種は,小さな集団で遺伝的革命によって,急に進化する。
    • 進化は,変化のない長い安定な平衡状態が,急速な種分化によって分断され,別の安定な平衡状態に移るような,不連続的なパターン,すなわち断続平衡になる。
      化石記録が不連続的な形態変化になるのは,「形態変化・イコール・種分化」だから。
    • 「進化」を,<種以下>レベルと<種より上>レベル (属・科) とで区別
      • <種以下>レベルのダイナミクス (小進化)
        • 種とは,遺伝子のこと
        • 遺伝的浮動 (遺伝的変異のランダムな変化),突然変異,自然選択
      • <種より上>レベルのダイナミクス (大進化)
        • つぎの二つのダイナミクスによって,系統ごとに種構成がランダムに変化
          1. ランダムな地理的隔離による種分化
          2. ランダムな絶滅
        • 長い時間スケールのもとでは,種と種の関係に互いに優劣はなく,互いに中立

  • 「赤の女王仮説」(ヴェーレン)
      (千葉 聡『歌うカタツムリ』, p.122 から (要約)
    • 生物種間には,捕食-被食などの闘争がある。
      ある種の適応度が変化すれば,必ず他の種に影響する。
      この闘争の中で,適応的な性質を進化させた種は生き延び,それができなかった種は絶滅する。
      同じ場所にとどまるためには,全力で走り続けなければならない」(It takes all the running you can do, to keep in the same place.) ──『鏡の国のアリス』で赤の女王が言うせりふ
    • 捕食-被食,攻撃-防御の軍拡競争が,形の劇的な多様化,さらに種分化,をもたらす。

  • 適応主義批判
      (千葉 聡『歌うカタツムリ』, pp.123-125 から (要約)
    • 生物の形は,必要とされる機能に対して最適なものにデザインされているわけではない。
    • 変化に対する制約
      • 祖先がたどった進化の歴史
      • 個体がたどる発生の経路
      • 形の組成・構造上の制約──物理・化学・幾何学的制約
    • 別の種との交雑
    • 歴史の所産は,<いま>のロジックでは説明されない

  • トレードオフ
      (千葉 聡『歌うカタツムリ』, p.197
    • トレードオフのもとでなされる戦いには,絶対的な勝利はない。 勝つためには,別のどこかで負けなければならない。 だから,誰にでも,いつかどこかで勝つチャンスがある。
    • このような戦いの中では,偶然が果たす創造性が最大化される。 だから多様性が生まれるわけだ。
    • トレードオフをつくり出すのは,歴史に由来する制約だ。

  • 形の不連続性
    • 適応の形は,一つとはならない
        いろいろな都合のトレードオフ → いろいろな形
    • どっちつかずは,機能しない → 二択 (ギャップ大)
       ──これが,「形の不連続性」の理由

  • 要点
    • 形の「理」の多面性
        「適応」「歴史・発生・構造」「偶然」
    • 「適応」をどんな相で観るか
        「運動」(微分), 「状態」