Up | 生命の起源は, 《要素から構造へ》で考えると間違う | 作成: 2017-11-10 更新: 2019-04-22 |
例えば RNAワールド仮説だと,つぎのようになる:
生化学反応の触媒がRNAからタンパク質に移行し,RNAはタンパク質の配列を示す遺伝暗号としての機能を持つようになる。 この機能においてRNAは不安定なので、DNAがこの機能を担うようになる。 これらワールド仮説は,現前の生物から出発して,それの体の構造分析を<進化の溯行>に見なしていることになる。 この分析で要素になるものを,進化の初めに措いているわけである。 これは,方法論として間違いである。 進化は,更新である。 更新は,これまでのものが無くなることである。 進化は,<構造物を組み上げる><年輪を加える>という格好のものではない。 現前の生物の体構造は,進化の歴史を表さない。 そもそも,「純粋に化学進化であるものの中から,タンパク質,DNA/RNA のような高度に機能的なものが生じた」は,考えにくい。 これよりは,「体にタンパク質,DNA/RNA をもたない "生物" が存在して,このような "生物" の進化の中でタンパク質,DNA/RNA が進化的に形成された」の方が,考えやすい。 タンパク質,DNA/RNA のような高度に機能的なものの発生は,生物的な存在の介在を想定せざるを得ないわけである。 |