Up 雌雄の定義 作成: 2021-09-30
更新: 2021-09-30


      Dawkins (1989), p.226
    ‥‥ 動植物を通じて、雄を雄、雌を雌と名づけるのに使用しうる基本的な特徴が一つ存在するのである。
    雄の性細胞すなわち「配偶子」は、雌の配偶子に比べではるかに小形で、しかも数が多いというのがその特徴だ。
    この点は、動植物いずれを扱う場合にも当てはまる。
    一方のグループに属する個体は大形の性細胞をもち、便利のために彼らを雌と呼ぶことにする。
    他方のグループは便利のために雄と呼ぶことにするが、こちらは小形の性細胞をもっているというわけである。
    両者の差異は、爬虫類や鳥において特に顕著である。
    これらの動物では、発育する赤ん坊に数週間にわたって十分な食物を供給できるだけの栄養分と大きさが、個々の卵細胞に備わっている。
    卵が顕微鏡的な大きさでしかない人間においてすら、卵細胞は精子よりなおはるかに大きいのである。
    ‥‥ 他のすべての性差は、この一つの基本的差異から派生したと解釈できるのである。


  • 引用文献
    • Dawkins, Richard (1989) : The Selfish Gene (New Edition)
      • Oxford University Press, 1989
      • 日高敏隆・他[訳]『利己的な遺伝子』, 紀伊國屋書店, 1991.