Up ボーアの量子論──「定常状態」 作成: 2020-01-12
更新: 2020-01-12


    ボーアは,原子の構造についてつぎの論──「ボーアの量子論」──を立てた:
    1. 原子がもてるエネルギーは,連続的ではなく離散的。
      そのエネルギー準位を,小さい順から
          En (n = 1, 2, ‥‥)
      とする。
      En を「定常状態」と呼び,特に E1 を「基底状態」と呼ぶ。
    2. 原子の光放出はエネルギー準位の降下になり,光吸収はエネルギー準位の上昇になる。
      そしてここには,つぎの関係がある:
          Ej ー Ei = hν
           ν: 光の振動数,: プランク定数
    3. 各定常状態 En には,「電子」の状態:

           p : 電子の運動量,q: 座標変数
           積分は電子の軌道1周
      が対応している。
      ──定常状態の遷移は,電子の状態の遷移を含意する。


    「定常状態」は,「原子が放出/吸収するエネルギーは,離散的」と読み換えたものが,フランク・ヘルツの実験 (1914) によって実証された。