ボーアは,原子の構造についてつぎの論──「ボーアの量子論」──を立てた:
- 原子がもてるエネルギーは,連続的ではなく離散的。
そのエネルギー準位を,小さい順から
とする。
各 En を「定常状態」と呼び,特に E1 を「基底状態」と呼ぶ。
- 原子の光放出はエネルギー準位の降下になり,光吸収はエネルギー準位の上昇になる。
そしてここには,つぎの関係がある:
Ej ー Ei = hν
ν: 光の振動数,h: プランク定数
- 各定常状態 En には,「電子」の状態:
p : 電子の運動量,q: 座標変数
積分は電子の軌道1周
が対応している。
──定常状態の遷移は,電子の状態の遷移を含意する。
「定常状態」は,「原子が放出/吸収するエネルギーは,離散的」と読み換えたものが,フランク・ヘルツの実験 (1914) によって実証された。
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