Up 「電子」の存在論──エネルギーの粒子化 作成: 2020-01-10
更新: 2020-01-10


    「真空放電」で陰極線が現れる。
    陰極線は,粒子の流れである。
    この粒子を「電子」と呼ぶ。
    その電子は,放電管の中の気体原子から出て来たと見ることになる。


    常識は, 「何かから出て来た物は,その何かの中にそっくりあった物だ」と教える。
    そこで「原子の中に電子がある!」となる。
    つぎに, 「電子が原子の中にどんなふうにあるかを考えよ」となる。
    そして出て来たのが,原子核を中心として円周運動する電子の絵図というわけである。

    しかしこの絵図は,なんか滑稽である。
    電子に対し「そんなに一生懸命にならんでも」と言ってあげたくなる。


    幸い,もっとマシな絵図が考えられる。
    それは,つぎのものである:
      原子のエネルギーの一部が「粒」に形を変えて外に飛び出てきたのが,電子。
      そして原子の中でのそのエネルギーの様態は, 「波」。

    この波は,何の群集が現すところの波か?
    わからない。
    ただし,内容はわからないまでも,「ある種の量子の群集」と答えることにはなる。