Up | 海浜護岸工事による砂浜の痩せ細り・消滅 | 作成: 2024-05-23 更新: 2024-05-23 |
画定された砂浜はジリ貧になり,痩せ細る。 なぜか? 砂浜は,砂が固定して有るのではない。 砂浜の定常は,「動的定常」である。 砂の入れ替わり──新陳代謝──が起こっている。 この新陳代謝は,砂浜の域が流動的であることを要する。 護岸は,これをできなくする。 砂浜は,痩せ細り出すと,痩せ細りのスパイラルに入る。 砂浜が小さくなることは,砂の保持力が落ちることだからである。 痩せ細る一方の砂浜で,海浜植物は衰滅に向かう。 ひとは「安心・安全」を正義にする。 その「安心・安全」は,自分たちの「安心・安全」ある。 「安心・安全」の事業にひとが高揚するたびに,割を食う生物が出てくる。 日本は今後,首都一極集中になり,地方からひとがいなくなる。 しかし護岸は,ひとがいなくなった後も残ることになる。 その護岸の下は,砂は無くなり,直接海になる。 ひとがいなくなることは,ひとのせいでいなくなった生物が復活することではない。 ひとは,ただいなくなるのではない。 しっかり「負の遺産」を置いていなくなるのである。 |