Up 発熱・悪寒・発汗 作成: 2024-08-28
更新: 2024-09-23


    感染は,急性と緩性がある。
    ウイルスが多くて強ければ急性になり,そうでなければ緩性になる。


    急性の感染の気づきは,発熱と悪寒である。
    発熱に悪寒が伴う意味は,体が体温を上昇させようとしている,ということである。

    悪寒は,「体を冷やさないことをせよ」という体の指示である。
    「これから体温を上昇させるので,これの妨げになる<体を冷やす>を無くせ」である。
    実際,悪寒は不快の症状であり,この不快を和らげる方法は,断熱効果のあるもので体を包むことである。
    体は,ことばで指示できない代わりに,快・不快で必要な行動を指示する。


    そして体は,体温を上昇させる。
    体温を上昇させるメカニズムは,<ふるえ>である。

    外に仕事をする筋肉は,動筋と拮抗筋の交互の収縮である。
    骨格筋の収縮は,ATP のエネルギーを使う。
    そしてこれには,熱の発生が伴う。
    ふるえは,動筋と拮抗筋の同時の収縮である。
    この筋収縮は,外に対する仕事がない分,ATP のエネルギーはすべて熱に変わる。
    ふるえによって熱が産生され,体温が上昇する,というわけである。

    悪寒で布団にくるまっているときは,骨格筋の収縮をよくよく吟味すべし。
    これは,体の声である。


    体温が十分上昇したら,体は体温の調整をする。
    体はこの調整を,発汗で行う。
    これも体の声である。


    事はすべて合理的に進行している。
    肝心なことは,体の声をきちんと聴くことである。

    しかしひとは,発熱・悪寒・発汗が病気であると思う。
    これが無くすことが病気を治すことだと思う。
    そこで解熱剤を用いる。

    こうして体は,必要な条件を台無しにされる。
    前途多難である。