Up 後遺症をウイルスのせいにする 作成: 2024-08-30
更新: 2024-08-30


    風邪は,「風邪ウィルスの繁殖のために,ヒトが自分の咽頭の細胞を提供する」という出来事である。
    生物進化の歴史は,ヒトと風邪ウィルスの間にこの共生関係をつくることになった。

    風邪は,ウイルスが繁殖を成せば,終わる出来事である。
    ウィルスは,細胞にしつこく絡むことはできない。
    抗体発動後は,ウィルス制圧の一途になるからである。


    しかしここに,風邪をこじらせ,そして後遺症へと進む者がいる。
    こじらせたのは,その者が感染に対してとった行動 (体の養生を怠った) とか,生活習慣がもとの基礎疾患である。
    後遺症の責任は,当人のせいである。

    しかしその者は,後遺症をウィルスのせいにする。
    この度のウィルスは悪質だというわけである。


    マスコミは,センセーショナルが売りであるから,彼らを取り上げ,「この度のウィルスは悪質!」のキャンペーンをはることにする。
    また,「この度のウィルスは悪質!」は,医事・薬事産業にとって商機になる。
    彼らは,御用専門家を動員して,「この度のウィルスは悪質!」を合唱させる。
    そしてひとは,これに手も無く騙される。

    ひとはこんなふうに,ウィルスに対する無知の上重ねをする一方である。


    ひとは,あらゆる分野で御用専門家の言を自分の考えにすることを,習慣にしてしまった。
    自分で考えることを,ますますしなくなっている。
    用心すべし。