Up 解析力学 要約 作成: 2023-04-20
更新: 2023-04-20


  1. 運動方程式
      \[ (E)\quad E( {\pmb{ q }} ) = 0, \quad {\pmb{ q }} = ( q_1, \cdots , q_f ) \]


  2. 関数
      \[ L( {\pmb{ q }}, \dot{{\pmb{ q }}} ) \]
    で,条件
      \[ (L)\quad \frac{ d }{dt} \bigl( \frac{ \partial L }{ \partial \dot{ q_i } } \bigr) - \frac{ \partial L }{ \partial q_i } = 0 \]
    を満たすものを,Lagrangiant と呼ぶ。

    Lagrangiant \( L \) の条件 (L) が運動方程式 (E) と同じになるとき,\( L \) は \( E \) の Lagrangiant であるという。


  3. 関数
      \[ H( {\pmb{ q }}, {\pmb{ p }} ) \]
    で,条件
      \[ \begin{align} (H)\quad &\frac{ \partial H }{ \partial q_i } = - \dot{ p_i } \\ &\frac{ \partial H }{ \partial p_i } = \dot{ q_i } \\ \end{align} \]
    を満たすものを,Hamiltonian と呼ぶ。


    Hamiltonian \( H \) の条件 (H) が \( {\pmb{ p }} \) を運動量としたときの運動方程式 (E) と同じになるとき,\( H \) は \( E \) の Hamiltonian であるという。


  4. Lagrangiant \( L \) に対し,
      \[ H = \sum_{i=1}^f p_i\ \dot{q_i} - L, \quad p_i = \frac{ \partial{ L } }{ \partial{ \dot{q_i} } } \]
    は Hamiltonian になる。


  5. Hamiltonian \( H \) の変数 \( q_1, \cdot, q_f, p_1, \cdot, p_f \) を,正準変数 (canonical variables) と呼ぶ。


  6. Hamiltonian \( H( q_1, \cdot, q_f, p_1, \cdot, p_f ) \) に対し座標変換
      \[ \begin{align} (T)\quad &q_i = q_i( Q_1, \cdot, Q_f, P_1, \cdot, P_f ) \\ &p_i = q_i( Q_1, \cdot, Q_f, P_1, \cdot, P_f ) \end{align} \]
    をしたときの
      \[ K( Q_1, \cdot, Q_f, P_1, \cdot, P_f ) \]
    が再び Hamiltonian であるとき,(「(T) は正準変数を正準変数に変換する」の意味をとって),(T) は \( H \) の正準変換 canonical transformation であるという。


  7. Hamiltonian \( H( q_1, \cdot, q_f, p_1, \cdot, p_f ) \) に対する座標変換
      \[ q_i = q_i( Q_1, \cdot, Q_f, P_1, \cdot, P_f ) \\ p_i = q_i( Q_1, \cdot, Q_f, P_1, \cdot, P_f ) \\ H( q_1, \cdot, q_f, p_1, \cdot, p_f ) \ \longrightarrow \ K( Q_1, \cdot, Q_f, P_1, \cdot, P_f ) \]
    が正準変換であるためには,
      \[ \sum_{i=1}^f p_i \dot{q_i}\ - H( {\pmb{ q }}, {\pmb{ p }} ) = \sum_{i=1}^f P_i \dot{Q_i}\ - K( {\pmb{ Q }}, {\pmb{ P }} ) + \frac{ dW }{ dt } \]
    となる関数 \( W \) が存在することが必要十分。
    \( W \) をこの正準変換の母艦数 (generator) と呼ぶ。