Up 静電場 作成: 2017-11-25
更新: 2017-11-25


    (1) 一つの電荷がつくる静電場
    位置 \( \vec{a} \) に置かれた電荷 \( Q \) がつくる静電場は,つぎの関数になる:
      \[ \phi \ :\ \vec{x} \,\longmapsto\, - \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{Q}{ | \vec{x} - \vec{a} | } \]
    \( \phi (\vec{x}) \) は,「\( \vec{x} \) における静電ポテンシャル」と呼ばれる。

    \( \vec{x} \) に電荷を置くと,力 (ベクトル) を生じる。
    力の大きさは,電荷の大きさに比例する。
    \( \vec{x} \) に単位電荷を置いたときに生じる力 \( \vec{E}(\vec{x}) \) は,\( - grad\, \phi (\vec{x}) \) である。

    \( \vec{E}(\vec{x}) \) を「\( \vec{x} \) における電場」と呼ぶ。
    (注意:「電場」のことばは,\( \phi \) と \( \vec{E} \) の両方に対して使われている。)

    \( \vec{E}( \vec{x} ) \) は,つぎのようになる:
      \[ \vec{E} (\vec{x}) \,=\, - \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{Q}{ | \vec{x} - \vec{a} |^2 } \vec{e}_{\vec{x} - \vec{a}} \,\left( =\, \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{Q}{ | \vec{x} - \vec{a} | } \vec{e}_{\vec{a} - \vec{x}} \right) \]
    静電場に対する「力ベクトル場」の見方は,関数 \( \vec{E} \) がこれに当たる。


    (2) 複数の電荷がつくる静電場
    静電場については,重ね合わせが成り立つ。
    即ち,位置 \( \vec{a_i} \) に置かれた電荷 \( Q_i \) がつくる静電場を \( \phi_i \) とするとき,関数
      \[ \phi \,=\,\sum_{i} \phi_i \ :\ \vec{x} \, \longmapsto\, \sum_{i} \phi_i (\vec{x}) \]
    がそのまま,これらを合わせた静電場になる。
    つまり,つぎが成り立つ:
      ( \( \phi \) での静電ポテンシャル) = \( \sum_{i} \phi_i \) での静電ポテンシャル) \[ \phi (\vec{x}) \,=\, \sum_{i} \phi_i (\vec{x}) \] ( \( \phi \) での電場) = \( \sum_{i} \phi_i \) での電場) \[ \vec{E}(\vec{x}) \,=\, \sum_{i} \vec{E}_i (\vec{x}) \] ここで,\( \vec{E}(\vec{x}),\, \vec{E}_i (\vec{x}) \) は,それぞれ \( - grad\, \phi (\vec{x}),\, - grad\, \phi_i (\vec{x}) \)

    (1) より,
      \[ \phi (\vec{x}) \,=\, - \sum_{i} \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{ Q_i }{ | \vec{x} - \vec{a}_i | } \\ \vec{E}( \vec{x} ) \,=\, - \sum_{i} \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{ Q_i }{ | \vec{x} - \vec{a}_i |^2 } \vec{e}_{\vec{x} - \vec{a}_i} \,\left( =\, \sum_{i} \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{ Q_i }{ | \vec{x} - \vec{a}_i |^2 } \vec{e}_{\vec{a}_i - \vec{x}} \right) \]

    (3) 連続した電荷がつくる静電場
    空間の中の領域 \( V \) に,電荷が連続的に分布しており,位置 \( \vec{a} \in V \) における電荷密度 (単位体積当たりの電荷) が \( \rho (\vec{a}) \) であるとする。
    このとき,つぎの関数 \( \phi \) が,これら電荷がつくる静電場になる:
      \[ \phi \ :\ \vec{x} \, \longmapsto\, - \int_V \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{ \rho (\vec{a}) }{ | \vec{x} - \vec{a} | } \,d\vec{a} \]
    そして \( \vec{x} \) における電場 \( \vec{E}( \vec{x} ) \, ( \,=\, - grad\, \phi (\vec{x}) \,) \) は,つぎのようになる:
      \[ \vec{E}( \vec{x} ) \,=\, - \int_V \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{ \rho (\vec{a}) }{ | \vec{x} - \vec{a} |^2 } \, \vec{e}_{\vec{x} - \vec{a}} \, d\vec{a} \,\left( =\, \int_V \frac{1}{4 \pi \epsilon} \frac{ \rho (\vec{a}) }{ | \vec{x} - \vec{a} |^2 } \, \vec{e}_{\vec{a} - \vec{x}} \,d\vec{a} \right) \]


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