- 何でもあり
- 物理学の「正しい」「わかった (判明した)」は,「数学のことばで,つじつまを合わせられた」
「数学のことばで,つじつまを合わせる」が目的になるので,何でもありになる。
- プラトニズム
「つじつま合わせられた」を「正しい」「わかった」と同じにする思考回路は,プラトニズム
言語写像論・数学写像論
つじつま合わせを「つじつま合わせ」と思わない
- 要素還元主義
要素還元の方向にリアルがあると思う
要素還元を幻想構築と思わない
- プラトニズム・要素還元主義の思考回路は,<何でもあり>の展開を「発展」と称する
- <数学>を知らない,<構成>を知らない
- 数学の使用に関しては,制限無し
- 数学の使用において「使用条件」の意識がない──ご都合主義的数学使用
- 「数学は絶対」の思い
- 体系の論理的構成に無反省
- <数>を知らない
- <次元>を知らない
- ガリレオの相対性原理
- 等速直線運動系と静止系は区別できない →「同じ」→「慣性系」
- ガリレオの相対性原理:《慣性系では,同じ力学法則が成り立つ》
- ニュートン力学
- 絶対空間・絶対時間
- 力=質量 × 加速度 (「運動方程式」)
- 「力」: 物体の速度を変えるもの
- 「質量」: 物体の動かしにくさ
- 「重力加速度」
- 万有引力の法則
- 落体の法則,慣性の法則
- 万有引力の法則
- 万有引力の法則 (公理) の含蓄 (定理/必要条件)
- マクスウェルの方程式
- マクスウェルの方程式から「光の速度はすべての観測者に対して不変」が導かれる
- 特殊相対性理論
- 公理
- 相対性原理
慣性系では,すべての物理法則が,同じように成り立つ
- 光速度不変の原理
光速度は,観測者に依らず,一定
二人の観測者の間の相対速度が一定のとき,光速度は両者に同じ
- 「特殊」の意味
- 特殊相対性理論 (公理) の含蓄 (定理/必要条件)
- 光速に近い速さで進むと,時間の流れが遅くなり,長さが縮み (「ローレンツ収縮」),質量が増大する
ローレンツ収縮の公式
注意 :「質量の増大」
「重さの増大」ではなく「質量 (動きにくさ) の増大」
- 質量とエネルギーは同じもの
- 探求ツール (思考実験ツール)
- 証左
- 応用
註 : |
「光の速度はすべての観測者に対して不変」は,真理というものではなく,あくまでも公理 (「約束」)。
「光の速度を不変のものとし,それ以外の時間と空間を相対的なものとしよう」という「約束」である。
「光の速度は不変」を約束するとき,「光の速度が落ちる/上がる」は「距離の尺度が伸びる/縮む」「時間の尺度が縮む/伸びる」に
「光の速度はすべての観測者に対して不変」が実験によって証されるということは,これが真理だということではない。
──その実験は,<《実験は騙される》の実験>であってもよいわけであるから。
要点は,この<騙し>には整合性がある・一貫性があるということである。
実際,そうであるからこそ,特殊相対性理論に続く物理学の営みが成り立っているわけである。
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- 一般相対性理論 (「重力の理論」)
- 「一般」の意味
「二人の観測者の間の相対速度が一定」(「特殊」の意味) の条件が外れる
- 「質量によって空間がゆがむことで,重力が発生する」
物体の質量によって,時空が曲がる
時空の曲がりが,「重力」を現す:
重力とは,時空の伸び縮み (波) によって物質間に伝わるもの (「重力波」)
- 特殊相対性理論は,「運動」が「時空を変化させるもの」に
一般相対性理論は,「重力」が「時空を変化させるもの」に
- 特殊相対性理論は,「重力」の問題を孕む:
ニュートンの重力理論では,重力は一瞬で伝わるもの
特殊相対性理論では,光の速度を超えて伝わるものは,あってはならない
実際,「重力が一瞬で伝わる」は,時間の絶対的を含蓄する
- 公理
- 等価原理 : 慣性力/加速度と重力は同じ (区別できない)
- 重力の働き方 (「重力方程式」) は,どの観測者にも同じ
- アインシュタイン方程式
時空の曲がり = 定数 × 物質とエネルギーの分布
- 公理/アインシュタイン方程式の含蓄 (定理/必要条件)
- 「光は,重力によって曲がる」
- 「時間は,重力によって遅れる (ゆっくり流れる)」
特殊相対性理論における「時間の遅れ」は,「相対速度が一定の二人の観測者」の間での "おたがいさま"
一般相対性理論における「時間の遅れ」は,「重力が強い場所の方が,時間の流れが遅くなる」
- 重力波
時空の曲がりの変化は,「波」となって時空を伝わっていく
その速度は,光速
- ブラックホール
- 光を飲み込む (「事象の地平面」)
- 時間がほとんど止まる
- 大きさの計算:「シュバツルシルト半径」
- 素材
- ツール
- 思考実験 :「落下する箱」──重力が消される系
- 重力波観測装置
- 量子力学/量子論──「ミクロの世界の法則」探求
- 素粒子物理学
- 「波と粒子の二面性」
- 「状態の共存」──「不確定性関係」
- 「位置と運動量の不確定性関係」「エネルギーと時間の不確定性関係」
- 「トンネル効果」
- 真空から生まれては消える物質
- 「標準模型」
- ツール
- 粒子加速器 as「顕微鏡」
- LHC (Large Hadron Collider 大型ハドロン衝突型加速器)
- 「顕微鏡」の理論的限界
ブラックホールの発生
観測対象が「事象の地平線」の向こうに隠れる
但し,現前の LHC では遠く及ばないエネルギーレベルでの話
- 「くりこみ」
- 遠隔力─場─波
- 「遠隔力」は,ミクロ (距離の無限小化) では「無限大」の問題を発生
→「くりこみ」の方便 (ミクロ・マクロの階層構造の応用) でしのぐ
- 「くりこみ」の方便の限界
量子力学的なミクロの世界では,時空が量子力学の謂う「不確定性」になり,ゆらぐ
「距離が測れない」ことは,「ミクロ」が立たないということ
- 宇宙論
- <何でもあり>の最前線が,宇宙論
- 素材
- 「膨張する宇宙」
- 「宇宙の晴れ上がりの痕跡/化石」
- 「特異点定理」
- 「ブラックホールの蒸発」
- 「ミニブラックホール」
- 「宇宙の組成」
- ツール
- ストーリー作成:「宇宙は無から誕生」
- 「無/真空:<対生成・対消滅>の状態」
- 「トンネル効果」
- 「宇宙は虚数時間から始まった」
- 「インフレーション」
- 「宇宙は,誕生直後のひじょうに短い時間の間に,加速度的に膨張した」
- 「ビッグバン」
- 「宇宙の晴れ上がり」
- 統合理論
- 重力理論 (マクロの世界の法則) と量子力学 (ミクロの世界の法則)) の不整合/矛盾:
「遠隔力」は,ミクロでは「無限大」の問題が発生
重力理論と量子力学の矛盾は,「マクロの世界の法則」と「ミクロの世界の法則」の両方を用いる宇宙論において,切実な問題
重力理論と量子力学の矛盾の止揚が必要
→「統合理論」の課題化
- 「統合理論」の方針
- 「量子重力理論」──相対性理論 (「重力の理論」) と量子論の融合
- 「場の量子論」
- 4つの力の統一
- 「統一」の発想のロジック:
<宇宙の誕生>の中に<4つの力の分離>がある
4つの力は,もとは一つ
- 「階層性問題」
- 「究極の理論」(「万物の理論」)
- ゲージ原理
- 一般相対性理論の重力方程式は,《空間や時間の測り方を変えても方程式の形は変わらない》という条件から決まる
:「ゲージ原理によって形が決まっている」
電磁気力のマクスウェル方程式も,ゲージ原理によって形が決まっている
- ゲージ対称性
「測り方を変えても性質が変わらない」は,「測り方を変えても」が「見方を変えても」に通じるので,「対称性がある」と言い換えられる
「測り方を変えても」は「モノサシ (gauge) を変えても」なので,「ゲージ対称性」
- 余剰次元
- 「次元を増やすことで力の統一がなる?」
契機:「第5の次元を追加すれば,電磁気力も時空の曲がりとして説明できる」(テオドール・カルツァ)
- 「次元を増やすことで無限大の回避がなる?」
- 超弦理論
- 素粒子の姿を「点」ではなく「弦」にすると,「無限大」を回避できる
すべての素粒子を一種類の弦で説明することができる
- 弦理論 → 超弦理論
弦理論 : 素粒子のうちボゾンを説明 (フェルミオンが含まれていない)
超弦理論 : フェルミオンが加わる
- 超空間, グラスマン数
弦が普通の座標の方向に振動するとボゾンになり,グラスマン数のの座標の方向に振動するとフェルミオンになる
- 超対称性理論
<超空間の超対称性>と<ボゾンとフェルミオンの間の入れ替え可能な対称性>が対応
- 10次元時空
- 超弦理論を特殊相対性理論と整合させる上で,超弦理論において光子の質量が0であるようにしなければならない。
10次元時空にすると,光子の質量を0にすることができる。
やっていることは,<つじつまを合わせ>。
- 「余剰次元」の解釈 (<こじつけ>)
- CMB を「ビッグバン」の証拠とするロジック
- <宇宙の全方向から一定波長の電波が来る>から<宇宙の温度>を考えることができる。
実際,宇宙背景放射の波長から,その温度が導かれる。
その温度は,絶対温度で2.7K──そこで,「3K放射」と呼ばれる。
- 「ビッグバン」説では,宇宙の温度は「宇宙の晴れ上がり」時の温度がいまに続いている。
ガモフは,この温度を 5〜7Kと計算。
- これが3Kとよく合うとして,「ビッグバン」が証明されたとする。
- ロジックの要点:《宇宙の温度 = CMB》
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