Up 光線における「粒と波」 作成: 2020-01-09
更新: 2020-01-11


    光線は,波であると定められた。
    「回折・干渉」を現したからである。
    「回折・干渉」を現すものとして知られていたのは「波」だったので,光線は波と定められた。

    自然光のスペクトル現象から,いろいろな振動数の光線があることがわかってくる。
    振動数を一つ固定するとき,干渉パターンからこの光線の波長を計算できる。
    一方で光速がわかっているので,この光線の振動数を計算できる。
    こうして光線は,きちんと定量される波になった。


    つぎに,「光量子」(「光子」) 現象が見出されてくる。
    こうして光線は,「粒の群集」の解釈をもつ。
    そして光線が波として観察されることは,「光子の群集は波を現す」の解釈になる。

    「光量子」は,
      「空洞放射の光線のエネルギーは, の整数倍。
       ここでν は,この光線の振動数。」
    から導かれたものである。
    即ち, 「エネルギー の粒」を考えることにして,これを「光量子」と呼ぶ。

      h は「プランク定数」と呼ばれ,
         h = 6.626 × 10ー34 [J・s]


    ここで留意すべきは,振動数 ν は光線が現すものだということである。
    実際,光子は,単独の粒子としては定量的に考えられるものではない。
    特に,光子一粒は,波ではない。

    このことを強調するのは,「光子は一個でも波だ──光は粒子性と波動性を合わせ持つ」の記述を見ることがあるからである。
    つぎがその説き方である:
     「 ヤングの2重スリットの実験は,1個ずつ光子をとばしてもまったく同じ干渉縞が生じる
    実際は,「1個ずつ光子をとばす」なんて芸当は,ひとにはできない。
    ひとがどんなに弱い光線を開発しても,それは「まったく同じ干渉縞が生じる」ほどに十分強いのである。