Up 「一般相対性」定立の方針 作成: 2018-01-08
更新: 2018-01-08

    「相対性」とは, 「お互い様」の関係である。

    ＡがＢを指して「歪んでいる」と言うとき，Ａは自分を「真っ直ぐ」だと定めている。
    一方，Ｂも自分を「真っ直ぐ」だと定めている。
    そこで，Ｂを指して「歪んでいる」と観るＡは，Ｂから観ると「歪んでいる」ことになる。


    「強い重力で空間が歪む」という言い方がされるが，これも「相対性」で考えるものである。

    「点Ｐのまわりの空間が歪んでいる」とは，つぎのことである：
    　 《 自分の「真っ直ぐ」をＰの方まで延長すると，その真っ直ぐが歪む》
    このことを「歪むのは，Pのまわりの空間が歪んでいるからだ」とするのは，「相対性」をわかっていないということである。
    実際，点Ｐに棲む者は，自分の「真っ直ぐ」を定めており，自分の空間を歪んでいるとは考えない。


    この「お互い様」を空間の幾何学として表そうとすると，「多様体」の概念になる。
    局所的な「真っ直ぐ」をつないだ空間，というわけである。
    自分の「真っ直ぐ」を延長してこの空間を捉えようとすると，自分以外はみな歪んでいるものになる。


    所謂「宇宙科学」は，《自分の「真っ直ぐ」を延長して宇宙を捉える》をやっているわけである。
    これによって得られてくるのは，奇妙な宇宙空間の像である。
    そして，この奇妙な宇宙空間の像をあくまでも自分の「真っ直ぐ」で解釈しようとするとき，「ビッグバン」のような話がつくられてくるというわけである。

    奇妙な宇宙空間の像は，《自分の「真っ直ぐ」を延長する》の効果である。
    「相対性」は，《自分の「真っ直ぐ」を延長する》を却ける考えである。
    「相対性」が表現することになる宇宙は，一様な空間である。
    ──宇宙空間に対するこの見方は, 「宇宙原理」と称される。


    「相対性」が定める世界は， 「お互い様」を以て「一様」となる世界である。