Up 「4元化」の意味 作成: 2017-12-07
更新: 2017-12-07


    ニュートン力学の「速度」は,加減算される。
    光の速度もそうであると思われた。
    しかし,光の速度に関してはこうはならないことが見出されてくる。
    ここに,ニュートン力学を「光の速度は絶対」を公理とする力学へと修正することが,課題になる。

    速度の加減算は「異なる慣性系間の相対速度」を枠組にしていることになる。
    「光の速度は絶対」の意味は,「光の速度は,測定する慣性系に依らない」である。

    これを公理とするとき,つぎが導かれる:
      異なる慣性系間では,相手の系の長さ・時間が縮む。
      その縮率は,両者の相対速度をV,光速をcとするとき:  
        \[  \frac{1}{\sqrt{1 - \frac{V^2}{c^2} }}  \]
    翻って,「収縮」は,Vがcに比して小さいうちは,見えてこないものである。
    そこで,ニュートン力学の修正は,「拡張」がこれの自然なスタンスになる。

    「拡張」は,ニュートン力学の基本的枠組の拡張である。
    それは,つぎの概念の「4元化 (4次元化)」が内容になる:
      • ベクトル・内積・距離
      • 時間
      • 速度
      • 運動量
      • エネルギー
    ここで,これらの4元化が「成る」の意味は,「慣性系に依らない形式が成る」である。
    そして「慣性系に依らない」の意味は,「ローレンツ変換で不変」である。