Up 公理──「光速度不変」「慣性系相対」 作成: 2017-12-08
更新: 2017-12-08


    特殊相対性理論は,つぎが公理である:
    1. 「光速度不変の原理」
    2. 「慣性系相対の原理」

    「慣性系相対の原理」は,つぎがこれの意味である:
     「 わたしが棲む慣性系の物理法則は,同型を以て,他の慣性系でも物理法則である。」

    「光速度不変の原理」の意味は,どうか。
    「慣性系相対の原理」に対する独立性を求めて,つぎをこれの意味にしてみる:
     「 わたしが棲む慣性系では,光の速度は不変である。
    特に,光源の速度に依らない。」

    「光速度不変の原理」は,「光速度は,慣性系すべてを通じ,同じ」がこれの意味でなければ,使い物にならない。
    そこで,「光速度不変の原理」の意味を上のように抑制するときは,「慣性系すべてを通じ,同じ」は定理になると見込んでいることになる。

    その「証明」は,つぎのようになるのみである:
    「光速度不変の原理」により,光の速度はわたしが棲む慣性系において不変である。
    「光速度不変」は,わたしが棲む慣性系の物理法則になる。
    「慣性系相対の原理」により,「光速度不変」は,どの慣性系でも物理法則になる。
    このとき,慣性系Sの光速度cと慣性系S′ の光速度c′ は,一定比である。
    「一定比」は,それぞれの系で物理法則になる。
    そしてこれは,「慣性系相対の原理」により,同型を以て物理法則になる。
    それは,Sにおいてc′ =rcなら,S′ においてc=rc′ ということである。
    そしてこのとき,c=rc′ = r(rc) = r2 となり,r=1が導かれる。
    結局,c=c′ である。
    しかしこれは,証明になっていない。
    《cとc′ を突き合わる》のロジックが立たないのであるが,これを流してごまかしているわけである。

    「光速度不変の原理」は,「すべての慣性系を通じ,同じ」がこれの意味でなければならない。