「ローレンツ収縮」を,「時間」の側から見るとする。
「ローレンツ収縮」で,つぎの図を導いた:
これに対し,つぎの時間を読む:
「 |
静止している線分ABにおいて,AからBまで光が進む時間 T」
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「 |
速度Vで等速運動している線分ABにおいて,AからBまで光が進む時間 \( T_1 \)」
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\( T,\,T_1 \) は,つぎのようになる:
\[
T = 2\,c\,t_0 \\
T_1 = 2\,c\,t_0 + V (t_{B^{'}} - t_{A^{'}})
\]
また,「ローレンツ収縮」のところで,つぎの式を得ている:
\[
t_{B^{'}} - t_{A^{'}} = 2\,c\,t_0 - V \frac{2\,V\,c t_0}{c^2 - V^2 }
\]
よって,
\[
\frac{T_1}{T} = 1 + \frac{V^2}{c^2 - V^2} = \frac{c^2}{c^2 - V^2 } = \frac{1}{1 - \frac{V^2}{c^2} }
\]
特に,\( T_1 > T \) である。
これをつぎのように読む:
「同じ距離を進むのに余計に時間がかかる」
「時間がゆっくり進む」
「時間が収縮する」
そして「長さの収縮」のときのように,
観測者Sと,Sに対し相対速度Vで等速運動する観測者Tがいる。
Sの時間は,Tでは比率rを以て収縮する。
Tの時間は,Sでは比率rを以て収縮する。
と考え,上で導いた \( R = \frac{T_1}{T} \) に対し \( R = r^2 \),即ち \( r = \sqrt{R} \) と定める:
\[
r = \frac{1}{\sqrt{1 - \frac{V^2}{c^2} }}
\]
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