Up 「時間がゆっくり進む」 作成: 2017-12-03
更新: 2017-12-03


    「ローレンツ収縮」を,「時間」の側から見るとする。

    「ローレンツ収縮」で,つぎの図を導いた:


    これに対し,つぎの時間を読む:
     「 静止している線分ABにおいて,AからBまで光が進む時間 T」
     「 速度Vで等速運動している線分ABにおいて,AからBまで光が進む時間 \( T_1 \)」

    \( T,\,T_1 \) は,つぎのようになる:
      \[ T = 2\,c\,t_0 \\ T_1 = 2\,c\,t_0 + V (t_{B^{'}} - t_{A^{'}}) \]
    また,「ローレンツ収縮」のところで,つぎの式を得ている:
      \[ t_{B^{'}} - t_{A^{'}} = 2\,c\,t_0 - V \frac{2\,V\,c t_0}{c^2 - V^2 } \]
    よって,
      \[ \frac{T_1}{T} = 1 + \frac{V^2}{c^2 - V^2} = \frac{c^2}{c^2 - V^2 } = \frac{1}{1 - \frac{V^2}{c^2} } \]
    特に,\( T_1 > T \) である。
    これをつぎのように読む:
      「同じ距離を進むのに余計に時間がかかる」
      「時間がゆっくり進む」
      「時間が収縮する」

    そして「長さの収縮」のときのように,
      観測者Sと,Sに対し相対速度Vで等速運動する観測者Tがいる。
      Sの時間は,Tでは比率rを以て収縮する。
      Tの時間は,Sでは比率rを以て収縮する。
    と考え,上で導いた \( R = \frac{T_1}{T} \) に対し \( R = r^2 \),即ち \( r = \sqrt{R} \) と定める:
      \[ r = \frac{1}{\sqrt{1 - \frac{V^2}{c^2} }} \]