Up 「時空間」図 作成: 2017-12-09
更新: 2017-12-09


    空間の中を物体が移動している。
    その移動を記述しようとする。
    その方法は?

    軌跡の図を書いてもだめである。
    同じ軌跡を残す移動がいくらでもある。

    方法は,《時間tをパラメータにして位置を表す》である:
      \[ (\, x(t),\, y(t),\, z(t \,)) \]

    方法の得は,失と表裏である。
    この方法の難点は,記述から動きの像を起こすのが難しいことである。
    動きをイメージするのが難しい。
    動きの視覚的イメージ──即ち,絵──が欲しくなる。
    動きがわかる絵。

    こうして,空間と直交する時間軸を立てた絵の登場となる。
    ただしこの絵は,3次元を模した描画のうちの1次元分を時間軸に譲ることになるので,空間は2次元 (平面) ないし1次元 (直線) に抽象されることになる。


    この画法は,直線上の移動に対しては十全なものになる。
    A点からB点への移動のいろいろが,互いに違って描かれることになる:

    この絵の難点は,直線移動にしか使えない──t−x枠でしか使えない──ということである。
    t−xy枠だと,見取り図ということになり,もはや解析の用途では使えない。──しかも,わけのわからない絵になってしまう:
平面上の等速円運動の絵

    ミンコフスキー空間が解析の用途に足るのは,描く対象が,光の進行を含め,等速運動だからである。
    等速運動だから一方向であり,運動をt- x 枠で描けることになるのである。