Up 「見かけの力」神話 作成: 2022-08-03
更新: 2022-08-18


    「裸の王様」の話をご存知だろうか。
    これは,つぎの話である:
      「 自分が愚か者に見えることを恐れて,存在しない衣装を褒めそやす
    ──それが大衆というものだ」


    学術の界隈も,これと大差無い。
    「裸の王様」であふれている。
    そしてその1つに,「見かけの力」というのがある。

      力は,加速度までの話が数学の中に収まる。 もし「見かけの力」がまっとうな概念なら,数学は「見かけの加速度」の概念をつくらねばならない。
      しかし「見かけの加速度」って何だ?


    気象学は,「見かけの力」として「コリオリ力」を立てる。
    しかし彼らは,「見かけの力」のことばを無理矢理呑み込んだという者たちなので,説明し出せば実に珍妙な設定を持ち出してくる。

    ひどいものになると,人工衛星とか,ピッチャーの投げるボールなんかが出てくる。
    これは宙にあって,「自転体の直進」の話とは最初から無縁である

    よく出てくるのは,回転円板の上でただ転がるボール。
    これは,川面を流れている葉っぱと同じである。
    その葉っぱには,川の力は現れない。
    そのボールには,コリオリ力は現れない。


    どうしたらその葉っぱに川の力が現れるか?
    どうしたらそのボールにコリオリ力が現れるか?
    自分の進路を定め,その上の進行を保とうとしたときである。

    コリオリ力は,直進の<意志>を以て直進を<保守>する者の上に現れる。
    そのような者に限り現れる。
    コリオリ力の説明とは,そのような存在を取り上げることなのである。


    急降下するジェット機のパイロットには,ものすごい G(ジー) がかかる。
    この力は,「見かけの力」ではない。
    急速回転する円板の上を,1本の半径を進路として猛スピードで直進する者には,コリオリ力として,真横方向からものすごい G(ジー) がかかる。
    この力は,「見かけの力」ではない。

     註: 自転の角速度がΩ,直進の速度がvのとき, 2Ωv のコリオリ力加速度がかかる。
       自転円板上の直進にかかる加速度