Up 「熱量」とは 作成: 2023-05-14
更新: 2023-05-14


    「熱量」は,「熱の量」である。
    「熱の量」の物言いでは,「熱」が量と考えられている。
    そしてその考えている「量」は,「エネルギー」である。
    「熱量」の物言いは,エネルギーの一形態として「熱」を考えているわけである。


    「エネルギー」とは何か?
    「物理学をやる上で便利なもの」である。
    物理学は,「エネルギー保存」を法則にすると,理論を量産できるようになる。

    「エネルギー」は,怪しい概念である。
    怪しい概念なのだが,便利なので怪しさには目をつぶってきた。

    しかし「エネルギー」の怪しさは,「熱」をこれの一形態と定めるとき,覆いきれないものになる。
    「熱」は「物体の温度を上げるエネルギー」とされるのだが,これには「物体の温度が下がることはエネルギーの放出であり,このエネルギーを使って仕事ができる」の含蓄がある。
    しかし,実際はそうはならない。


    「熱エネルギー」は,「エントロピー」の概念を用いて定義される。
    「エントロピー」は,「エントロピー増大則」の「エントロピー」であり,熱エネルギーは仕事エネルギーには変換されないものになる。

    実際,「熱」を仕事エネルギーとする考えは,つぎの読み違えしているのである:
      「熱い物体が仕事をする」を, 「熱エネルギーが仕事をする」と読む


    「熱量」とは何か?
    答えは,「そんなものは無い」である。