- フーリエの法則
「熱流束密度 J は温度勾配 grad T に比例する」
これを「 J = ーλ grad T」と書いたときのλを,熱伝導率(thermal conductivity)と呼ぶ。
- フーリエの法則の物理学的意義
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Prigogine & Stengers『混沌からの秩序』
pp.158,159
フーリエの法則の普遍性は、ニュートンの法則によって表現された力学的相互作用と直接には関係がない‥‥‥
あらゆる点で数学的に厳密であり、しかもニュートン的世界とは完全に異質な、新たな物理学理論が創造された。
このとき以来、数学・物理学・ニュートン的科学の三者は、同義語ではなくなった。
p.160
フーリエの法則を不均一な温度分布をもつ孤立した物体に適用すると、この法則は徐々に熱平衡に至る様子を示してくれる。
熱伝導の効果は、温度分布を次第に均等化し、ついには一様にしてしまう。
これが不可逆過程であることはだれもが知っていた。‥‥‥
しかし,熱伝導は、工学的な観点から散逸という概念とまず結びついてはじめて、不可逆過程の本性に迫る研究の端緒となった。
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- 参考サイト
- 参考文献
- Prigogine, Ilya & Stengers, Isabelle : Order out of chaos ─ Man's new dialogue with Nature.
Bantam Books, 1984.
伏見康治・他[訳]『混沌からの秩序』, みすず書房, 1987.
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