Up 宇宙マイクロ波背景放射がビッグバンの証拠であるとは? 作成: 2017-12-05
更新: 2018-01-04


    ビッグバン仮説を,単純につぎの意味だとしよう:
     「 宇宙とは,物質が一点から発生しその発生点から等速で遠ざかっているもの」
    「宇宙の膨張」も考えないとしよう。
    この場合,宇宙モデルはどのようになるか。

    ビッグバン発生点を原点にし,そこから等速で遠ざかる物質Sの世界線を ct 軸に一致させた ct 座標を書く:
    座標は4次元であるが,ここではx, y, z軸のうちx軸のみを書いている──y, z軸はこの面と垂直な方向にある。
    赤い線の \( w_L \) はビッグバン時に発生した光の世界線──円錐面を形成──を表し,そして \( c\,t_0 \) は「いま」を表す。 ── \( c\,t_0 \) より上は「未来」を意味する。

    物体の速度は光速を超えないから, ビッグバン時に発生した物質Mの世界線 \( w_M \) は,光円錐面に囲まれた領域に入る

    特に,現時点の物質宇宙──「現在空間」──は,半径が \( c\,t_0 \) の球体である:
      注意:図は2次元で描いているので「現在空間」が
         線分になっているが,実際は球体である。 


    この図に,Sに棲むわたしのいまの世界を,書き入れてみる。
    ここで「わたしのいまの世界」とするものは,「わたしにいま見えている世界」である。
    それは, 「わたしにいまその光が届いている世界」である。
    そしてそれは,つぎの領域になる(註)
    特に,「わたしのいまの世界」は,<過去の世界>である。
    そして,光円錐面と時間 \( T = \frac{1}{2} c\,t_0 \) の交わりが,この世界の果てということになる。


    ところで,「いま・ここから見えるのは時間をTだけ溯った過去まで」は,「これより昔はわからない」を意味しない。
    すなわち,「いま・ここから見える物質Mは,それが発生した当時の面影をそのまま保っている」と考えれば,いま・ここから見える物質Mの観察が,そのまま発生当時のMの観察ということになる。

      「天体探査」は「宇宙の起源を探る」のタイトルがよくつけられるが,これは「その天体は発生当時の面影をそのまま保っている」の考えに立っているわけである。

    そしてビッグバン仮説では,「宇宙マイクロ波背景放射」を
     「 それの発生当時──ビッグバンから30万年後──の面影をそのまま保っているものである」
    と主張し,自説の証拠と定めるわけである。



     註: 「この世に \( c\,t_a \) 年に生まれたわたしの経験世界」だと,つぎの領域になる: