Up 比例膨張モデル──ハッブルの法則 作成: 2018-01-04
更新: 2018-01-04


    天体を観測すると,天体は観測者の自分から遠ざかって行くように見える。
    この現象を,「宇宙の膨張」と謂う。

    この「膨張」には,つぎの法則が認められる:
      天体Mが遠ざかる速度は,自分とMの距離Dに比例する
      即ち,
        \[ \frac{d}{dt}D \,=\, H\, D, \ \ \ \ \ H : 定数 \]
    この法則を「ハッブルの法則」と謂い,定数Hを「ハッブル定数」と謂う。

    わからぬことだらけの宇宙が相手なので,ハッブル定数の値は当然流動的である。 ここでは,つぎの値を用いるとする:
      \[ H = 72 \ \ \ \left[ \frac{km}{秒} \frac{}{MPC} \right] \\ Mpc = 3.082 × 10^{19} \,km \]

    「\( 10^{19} \,km\)」はイメージしにくいので単位「光年」に換算すると:
      \[ 光年 = 9.46 \times 10^{12} km \\ Mpc = \frac{3.082 × 10^{19}}{9.46 \times 10^{12}} 光年 = 3.26 \times 10^6 光年 = 326 万光年 \]
    よって,つぎのようになる:
      「自分との距離が 326 万光年 の天体は,自分から速度 72 km/秒 で遠ざかる」
    言い換えると,
      「自分との距離が 1万光年 の天体は,自分から速度 221 m/秒 で遠ざかる」


    これがどの程度のスピードなのかまだイメージがつかめないので,「ビッグバン」の絵で考えてみる。
    「ビッグバン」の宇宙モデルだと,宇宙の年齢は 138億年。
    ビッグパン発生点Oから138億光年の距離の天体があったら,それはOからほぼ光速で遠ざかっているという計算になる:
      \[ 138億光年 = 1.38 \times 10^6 万光年 \\ 0.221 km/秒\, の 1.38 \times 10^6 倍 = 30.5 万km/秒 \approx 光速 \]