Up COR理論 (資源保存理論) 作成: 2024-03-20
更新: 2024-03-20


    地表を雑草で敷き詰めようして,雑草を伸び放題にする。
    この方法はうまくいかない。
    成長が停滞してしまうのである。

    雑草も人と同じで,ラクしてゴールに到達できればそれが最良。
    ゴールは,種をつくってばらまくこと。
    だまってこれが成るなら,余計なエネルギーは使わない。

    「余計なエネルギーは使わない」──これを "Conservation of resources theory" (資源保存理論) と謂う。,

    そこで,雑草を盛んに成長させる方法は,ゴールを取り上げること。
    即ち,伸びたら刈る。
    これにより,ゴールに向かってひたすらがんばる体勢が,雑草の常態になる。
    しかも,刈る度にひこばえが生じ,草の密度が増す。


    但しこれは,雑草間の淘汰を進める。
    優勢になるのは,クローバーや芝草 (イネ科の雑草)。

    越年葉がロゼット様に地面を這う種──キク科の雑草がこの代表──は,淘汰される。
    周りの草に埋没するからである。
    実際,この類の雑草の繁栄は,地面を絶えず裸にしてくれる人間のおかげである。

    クローバーと芝草の混生は,北海道の場合,芝草が優勢になる。
    芝草はクローバーより寒冷に強いので,冬の間にクローバーをのしていく。
    そして芝草は地上部も地下部も高密度に栄養繁殖するので,一旦芝草に占められると,他の種にとってそこに割って入るのは容易でない。


      Brown (2018), pp.69,70.
      ニコルズ博士はこう説明している──
      「動物が食むことで、植物は栄養成長相と言われる発育過程にとどまり、光合成で生成された炭素は長く地中にとどまることになる。
      この状態が続かなければ、植物は炭素を呼び戻し、種子の生成などに使ってしまう。
      また、動物が食むことで、根の滲出物 (炭素) の分泌がうながされる。
      動物が噛んだ場所は生理的に "傷" と認識され、人間の体にかさぶたができるような "治癒のプロセス" をたどるからだ。
      治癒に必要となる養分を土から集めるため、植物は根から滲出物を出し、炭素を求める微生物を引き寄せようとする。」
      ニコルズ博士によれば、これは望ましいレベルのストレスで、こうしたストレスなくしては植物は "怠けてしまい"、養分を得るためにきちんと働こうとしない。
      科学用語ではこれを「資源保存理論 (COR理論)」と言い、「いかなる生命体も必要な分以上には何も創り出さない」。
      植物はつねに "均衡" に向かう。
      よって、ストレスが加わることで最大のパフォーマンスが発揮されるのだ (ただしストレス過多はよくない)。
      言うなれば、オリンピックに向けたトレーニングのようなもの。
      体は適度な負荷なくしてはよい状態に達しない。
      植物もより多くの養分を得るには、それなりの働きがいる。
      そのカギとなるのが家畜なのだ。
      対する慣行農業のなかでは、植物は養分を得るために働く必要がない。
      私たちが大枚はたいて買い与えた化学肥料を、ただで受け取ってしまえるからだ。



    • 引用文献
      • Brown, Gabe (2018) : Dirt to Soil ─ One Family's Journey into Regenerative Agriculture
        • Charles Green Publishing Co., 2018
        • 服部雄一郎 [訳]『土を育てる──自然をよみがえらせる土壌革命』, NHK出版, 2022

    • 参考Webサイト