Up 階層的間隙構造 (団粒) 作成: 2024-03-15
更新: 2024-03-17


  • 「土壌の三相」
      土壌 土粒子 固相 有機物と無機物
      孔隙 液相 水 (土壌溶液)
      気相 ガス (土壌空気)


  • 土壌組成
    • 一次鉱物 (造岩鉱物)
    • 二次鉱物 (粘土鉱物)
        一次鉱物が変質して生成
    • 腐植


  • 階層的な間隙構造 (「団粒」)
      和田信一郎『土壌学』, 4.2 微生物の棲家としての土, p.41.
    土粒子の主成分は大小さまざまな大きさと様々な形状の鉱物であり,それに植物遺体や腐植物質などの有機物が混ざっている.
    土粒子間の間隙の半分程度は水(土壌水,土壌溶液)で満たされており,残りには空気が入っている.
    土粒子の大きさは大きいものは直径数センチまたはそれ以上,小さいものは数nmである.
    土に多種多様な生物(特に微小生物)が生息できる第一の理由は,土が大小さまざまな粒子から構成されており,その間隙に多くの生物を収容できるからである.
    また,多くの土壌動物は土に穴を穿って,自らの居住空間を作り出している.
    このようなことが可能なのは,土が土壌動物の大きさよりもはるかに小さい粒子から構成されているからである.
    一般に,粒子がランダムに集合する場合,粒子間の間隙の大きさは粒子の大きさと同じくらいのオーダーになる. 粒径1 mm程度の砂粒子が集合すればその間隙の大きさは1 mm前後であり,粒径0.1 μmの粘土粒子が集合すればその間隙は0.1 mm前後である.
    しかし土の場合には,微細粒子が集合体を形成することにより,構成粒子の大きさよりも何桁も大きな間隙が形成されていることが多い.
    この集合体は団粒とよばれる.
    粒子同士を接着しているのは,植物根や微生物が分泌した有機物,腐植物質,二次鉱物の超微粒子などである.