Up 「人情」論 作成: 2018-06-17
更新: 2018-06-23


    異文化が先進文化として入ってくる。
    「先進」の意味は,「生活水準が高い」である。
    生活水準の高さを実現しているのは,技術である。
    そして技術の内容は,「事物の資源化」である。
    この文化は,事物を「用不用」で考えるものになっている。
    そこで,この文化への反発は,「用不用」の考え方の拒否を形にするものとなる。


    「用不用」の考えは,人に対しても適用される。
    「人材」観である。
    そして「人材」は,「立派な人間」に表現される。

    そこで「用不用」の考えの否定は,「立派な人間」の考えの否定になる。
    「立派な人間」など嘘だ,となる。
    そして,「人間の真実」を論じることに向かう。


    「立派」を立てるのは,「善悪・倫理」の思想である。
    「善悪・倫理」の思想は,「用不用」の考えに溯る。

    「善悪・倫理」がすんなりからだに入る者がいる一方で,「善悪・倫理」を苦手とするタイプの者がいる。
    「善悪・倫理」に対する好悪は,人の個性に帰するのみである。

    「善悪・倫理」を苦手とする者は,「善悪・倫理」を退けるのに,「人情」を以てする。
    この実践行為を「文学」と謂う。
    実際,文学の本質は,「善悪・倫理」へのアンチである。


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