Up 漢才批判の主旨 作成: 2018-06-28
更新: 2018-06-28


    マンガがおもしろいのは,おもしろいから読むものだからである。
    マンガを読むことが人間形成のためにすることで,学校の科目だったら,マンガはつまらないものになる。
    音楽や絵画も同じで,人間形成の科目にされると,つまらなくなる。

    なぜつまらなくなるか。
    「人間形成」の内容は,「社会要員形成」であり,したがって「キャリアアップ」である。
    キャリアアップの目的は,「立身出世」である。
    そこで,「立身出世」に対してニヒルになってしまう者には,人間形成科目は無意味なものになる。,

    本居宣長は「漢才(からざえ)」を批判し,これに「もののあはれをしる」を対置する。
    ここで「漢才」は,「人間形成」の考えである。
    宣長がこの考えから守ろうとしたものは,<おもしろい>である。
    <おもしろい>に真実がある, 「人間形成」は嘘だ──これが宣長の思想である。