Up 系と型──存在と形式 作成: 2018-06-27
更新: 2018-06-27


    系として「日本」を立てる。
    これは可能である。
    この「日本」に対し, 「日本型」を立てる。
    これは不可能である。

    「系」と「型」の関係は,「存在と形式」である。
    存在には,形式を措定できるものとできないものがある。


    形式は,論理概念である。
    したがって,形式をもつ存在は,論理的存在である。

    形式が論理的存在であるとは,簡単に言うと,ことばになるということである。
    これより,形式をもつ存在は,ことばになる。
    これの対偶をとる:
      《ことばにならない存在は,形式をもてない》

    系「日本」は,ことばにならない。
    よって,「日本型」は立たない。


    形式をもつ存在では,存在は形式の外延で,存在の内包が形式である。
    「外延・内包」の論理に慣らされた者は,どんな系にも型を最初から当て込む者になる。
    数学は, 「外延・内包」の論理 が貫徹されるところである。
    数学に親しむ者は,よくよく吟味・自戒すべし。