Up 作品 作成: 2019-06-27
更新: 2019-06-27


    ひとがせっせと作品を出すのは,<わたし>を残そうとしてである。

    ひとはアート作品を「表現」と呼ぶ。
    このことばはミスリーディングである。
    このことばを受け取った者は,「何を表現しているのだろう」の構えで作品に対するからである。

    作品は何かの表現ではない。
    作者は何かを表現しようとする者ではない。
    作品は,そこにあるがままのものである。(「何も隠されてはいない。」)

    作品は,作者の存在主張である。
    作品のメッセージは,「わたしはこれを作る者だ」である。

    アート作品の鑑賞は,作品の個性の鑑賞である。
    類型的か独創的か,凡庸か非凡か,である。
    ひとを圧倒する作品は,独創・非凡がひとを圧倒するのである。

    翻って,アート作品を鑑賞する者は,<経験値>である。
    鑑賞には,独創・非凡がわからない経験値がする鑑賞と,独創・非凡がわかる経験値がする鑑賞がある。