Up 「自決死」立論 : 要旨 作成: 2019-06-24
更新: 2019-06-24


    「自決死」は,「老衰」を文脈にして立てようとするものである。

    延命社会では,老衰死は痴呆化を含意する:
      老衰は,カラダの自壊である。
      自壊には,アタマの自壊が含まれる。
      アタマの自壊が,「痴呆化」である。
      老衰死は,アタマの自壊がひどくなる前に来るか,ひどくなってしまった後に来るかである。
      延命社会では,ひどくなってしまった後に来る。

    ひとが痴呆化を厭うのは,<わたし>の喪失をこれに見るからである。
    ひとは<わたし>として人生を終えたい。
    <わたし>でなくなった生き物が死ぬという終わり方は,厭うのである。

    実際のところ,<わたし>の喪失は程度問題である。
    老衰は,<わたし>の喪失を含む。
    ただ,当人がその喪失に気づけないだけである。

    「自決死」立論は,「延命を却ける」が命題になり得ないか考えてみようというものである。
    実際,<痴呆化経由の老衰死>を実現するのが延命なのであるから,<痴呆化経由の老衰死>を免れる方法は《延命を却ける》である。