Up 対比「自裁」 作成: 2019-07-02
更新: 2019-07-02


    本論考の「自決死」立論は,西部邁「自裁」との差別化が要点になる。

    思想する者は,自分の思想を自分にしてしまう。
    自分の思想を自分にしてしまうと,主義貫徹の死が死に方として択ぶものになる。
    表現者は,自分の死も表現にしようとする。
    主義貫徹の死を死に方として択んだら,自分のその死をひとが別様に解釈しないよう,前もってアピールする。
    この公言には,ブレないための縛りという機能もある。
    実際,これに縛られるようになる。
    「自裁」はこれである。

    主義は人間種のものである。
    他の生物にはない。
    「自決死」は,生物一般の死であろうとするものである。
    今日は自分が死ぬ日だ,死んでくるとするか」が,「自決死」である。
    どうも今日は,その日ではなかったようだ」になり得るものである。

    「延命を却ける」は,主義ではない。
    「痴呆で生かされたくない」の自然な思いである。
    「常住死身」は主義ではない。
    「自決死」が成るための必要条件である。
    「痴呆で生かされたくない」は,「常住死身」があって言えることである。