Up おわりに 作成: 2019-06-30
更新: 2019-07-02


    延命オリエンテーションに対しては,馴染める者と馴染めない者の別が現れる。
    延命オリエンテーションは,正義のオリエンテーションである。
    これに馴染める者は,善人である。
    翻って,馴染めない者は悪人である。
    実際,「延命を却ける」論をひとが憚るのは,悪の理だからである。

    善人は,延命オリエンテーションをそのまま自分の立場にすればよい。
    悪人は,自分の構えの独自構築を課題とせねばならない。
    本論考は悪人に寄せてつくったものであり,善人には関係のないものである。
    本論考が読者に想定したのは,悪人であった。

    ここに「悪人正機」のことばが浮かぶ。
    実際本論考が主題化しようとしたもの,それは「正機」であった。


    本論考は,<往生=自決死>の形を導いたところで閉じる。
    中途半端の(てい)だが,これ以上は嫌味になるからである。
    そしてこの中途半端の先は,どうせ論理作業である。
    "uniquely determined" というわけである。