Up 延命産業 : 要旨 作成: 2019-07-02
更新: 2019-07-02


    技術が持たれると,それが何であれ,ひとは「これで一儲け」を考える。
    実際,これが商品経済である。
    商品経済とはこういうものである。

    商品経済は,自律的な運動系である。
    ひとは,このダイナミクスに呑み込まれるという形でしか生きられない。
    商品経済の産業は,産業のための産業である。
    ひとは,<産業のための産業>に呑み込まれて生きる。


    老人の医療・介護は,いま最も大きな産業になっている。
    この産業──「延命産業」──は,商品経済の産業である。
    これは既に<産業のための産業>として回転している。
    ひとはただ,この産業に加担するように生きねばならない。

    むかしのことばに,「消費は美徳」というのがある。
    そのロジックは:
      消費をしないと,経済が回らない
      経済が回らないとは,社会が成り立たないということ
      社会を成り立たなくさせるのは,悪徳である
      よって消費は美徳である。
    「延命」は,この「消費」のうちである。
    老人は,延命が美徳になる。