Up 延命社会 : 要旨 作成: 2019-06-30
更新: 2019-07-02


    現代は,延命技術が持たれた時代である。
    延命技術が日々開発される時代である。

    延命技術を使うことが,巨大産業になる。
    よって延命技術を使うことが,正義になる。
    そしていまは,コンプライアンスの時代である。
    正義を生業にする者は,延命を唱えねばならない。
    延命しなかった者を出してしまうことが己の責任問題として追及される立場の者は,延命対策に一生懸命な自分の姿を執拗にアピールしていかねばならない。

    こうして現代は,ひとが延命に誘導される時代である。


    年寄りは,いつまでも生きるようになる。
    年をとるとはカラダが劣化することであり,この劣化にはアタマの劣化が含まれる。
    アタマの劣化とは,即ち痴呆化である。
    いつまでも生きるとは,痴呆で生きるということである。

    こうして現代は,ひとがディレンマに立たされる時代である。


    延命は正義であるから,逆らうものではない。
    延命オリエンテーションに対し,ひとは無言を立場にする。
    実際,無言がマジョリティーを形成する。