Up 成長・境地・老人力 作成: 2012-04-08
更新: 2012-04-08


    『論語』,為政 4
    子曰:吾
      十有五而 志于學,
      三十 而 立,
      四十 而 不惑,
      五十 而 知天命,
      六十 而 耳順,
      七十 而 從心所欲,不踰矩。


    『徒然草』第百七十二段
    若き時は、血気内に余り、心物に動きて、情欲多し。身を危めて、砕け易き事、珠を走らしむるに似たり。美麗を好みて宝を費し、これを捨てて苔の袂に窶れ、勇める心盛りにして、物と争ひ、心に恥ぢ羨み、好む所日々に定まらず、色に耽り、情にめで、行ひを潔くして、百年の身を誤り、命を失へる例願はしくして、身の全く、久しからん事をば思はず、好ける方に心ひきて、永き世語りともなる。身を誤つ事は、若き時のしわざなり。
    老いぬる人は、精神衰へ、淡く疎かにして、感じ動く所なし。心自ら静かなれば、無益のわざを為さず、身を助けて愁なく、人の煩ひなからん事を思ふ。老いて、智の、若きにまされる事、若くして、かたちの、老いたるにまされるが如し。