Up 「不生不滅」の物理 作成: 2018-08-10
更新: 2018-08-10


    生物進化学のテクストには,「系統樹」の絵が載っている。
    この絵に対し,ひとはこれを生物の「進化」の絵のように思ってしまう。
    しかし,「系統樹」は,現前の生物の先祖溯行を表現したものである。
    ここには,絶滅した種が描かれていない。
    実際,絶滅した種は無数にあったわけであるから,これの表現など思いもよらない。

    生き物の生滅の「無数」は,想像できない「無数」である。
    一瞬の時にも,想像できない「無数」の生き物が生じまた滅している。


    生き物の生滅は,《積み木で建物をつくり,そして壊す》みたいなものである。
    積み木の数は限られていても,<つくって壊す>の回数は無限である。

    そしてこれが, 「不生不滅」の読み方になる。
    「不生不滅」は,
     「 生き物の生滅は,《積み木で建物をつくり,そして壊す》みたいなもの──<物質>の存在階層での生滅は無い」
    と解釈することで,科学になる。