Up 栄達主義と世直し主義の弁証法 作成: 2018-07-29
更新: 2018-07-29


    テロは,無くならない。
    <栄達>幻想社会の含蓄だからである。

    ひとは,他人の栄達に対し,これを羨み,また嫉む。
    この感情の合理化として,栄達競争社会を「穢れ」とする。
    こうして,<栄達>幻想は,これに対するカウンターとして多種多様な<世直し>幻想を生む。
    そして,その<世直し>が実践されれば,それはテロになる。

    また,<世直し>幻想の陣営にとっては,<栄達>幻想はテロである。
    テロは,お互い様である。

    人間社会を何か上等なもののように考えると,間違う。
    人間社会は,高々化学反応系である。
    化学反応は,自己励起のしくみがなければ衰滅する。
    人間社会は,何を自己励起のしくみにしているのか?
    各種対立である。
    対立が無ければ衰滅するわけであるから,対立はことさらに絶えず作り出していることになる。
    これが,<栄達>幻想に対するところの<世直し>幻想の意義である。