Up 例 : ヤクザ潰滅キャンペーン 作成: 2018-11-08
更新: 2018-11-08


    <生きる>は,反社会的な部分をもつ。
    これを押し込めるところが要る。
    こうしてつくられてくるのが,裏社会・闇社会である。
    ひとは,表と裏,<お天道様の下>と闇,を使い分ける。

    裏/闇社会は,これの管理役が要る。
    ヤクザは,この役に就いてきた者である

    一方,ヤクザは,<お天道様の下>の仕事も担当してきた。
    その仕事は,一般人の就けない・就きたくない仕事である。

    そのうえで,ヤクザは犯罪集団である。
    ヤクザの生業のうちに,一般人を対象とする犯罪がある。

    こうして,ヤクザは「両刃の剣」の極まれる存在である。


    このヤクザに対し,社会は「潰滅」の路線をとることになった。
    国は「暴対法」「組織犯罪処罰法」を立て,地方公共団体は「暴力団排除条例」を立てる。

    ヤクザが担当していた<一般人の就けない・就きたくない仕事>は,業態を変更することで,<一般人の就ける・就きたい仕事>に変え得る。
    しかし,裏/闇社会管理役は,だれかが就かねばならない。
    そして,ヤクザ犯罪も,同じことをヤクザに代わってやる者が現れてくるだけのことである。

    実際,これは,生態学だとつぎの二つのモデルの適用となる主題である:
    1. 「下克上」(新興ギャング)
    2. 「外来種が,在来種に取って代わる」(外国人マフィア)

    こうして,「ヤクザ潰滅」は,ヤクザ犯罪問題の解決とはならない。
    これは,ヤクザ犯罪問題の複雑化である。