Up 「個の多様性」 作成: 2018-10-16
更新: 2018-10-25


    幻想は,「個の多様性」で考えるものになる。

    「個の多様性」は,卑近な意味で考えると幅が小さくなる。
    幅が小さいと,思い込みをやって間違うことになる。

    「幅」は,「スペクトル」でイメージする。
    スペクトルは,何の軸をどんなふうに置くかで,いろいろになる。

    つぎは,一つの例である:


    一般に,「個の多様性」は,自己組織化する系の根本である。

    例えば,種の進化。
    いつの時代にも「ニュータイプ」(「新人類」) 現象がある。
    ニュータイプを供出する裾野は,個の多様性である。
    新しい時代とニュータイプは,正の相互フィードバックの関係にある。
    したがって,ニュータイプを現す DNA が,存在有利な DNA となって,世に敷衍する。
    これが,「進化」である。

    「進化」の説明概念は「突然変異」だが,これは多分にミスリーディングである。
    DNA は,複製ミス,外的破壊,そして生殖によって,絶えず新しい組み換えを発生する。
    これが「個の多様性」の内容である。
    そして,系の自己組織化のダイナミクスが,多様な個を裾野にして優位個を淘汰する。
    このとき,「優位個」は一通りではない。
    系は複雑系であって,「優位個」は何通りにも存在することになる。

      進化は,枝分かれであり,そして枝の淘汰である。
      ──進化は,一本道ではない。