Up 「テクノロジー」 作成: 2018-08-18
更新: 2018-10-04


    生活のモチベーションは,《己の生活を向上させる》である。
    そこで,向上に資すると(おぼ)しきものが現れれば,それを求める。
    テクノロジーは,この類である。
    ひとはテクノロジーを求め,テクノロジーに順う。

    テクノロジーは,競って求められる。
    己の生活の向上は,他との競争だからである。
    この構造において,テクノロジー開発の営みも,<己の生活を向上させる営み>のうちとなり,競争的営みとなる。

    こうして,テクノロジーは,<正のフィードバック>のダイナミクスを以て進歩する。
    <正のフィードバック>がつくり出す運動は,螺旋上昇運動である。
    この運動に抗える者はいない。

    一方,螺旋上昇運動は,永久運動とはならない。
    即ち,運動の系が早晩ぶち切れることになる。


    科学とテクノロジーの関係について。
    科学とテクノロジーの関係は,「科学はテクノロジーに貢献する」ではない。
    科学はテクノロジーに貢献するが,それは科学の一面である。

    テクノロジーは,生活を豊かにすることを目的に,開発するものである。
    一方,科学は,ひとが己を知ることを目的に,探求するものである。
    科学はこのようなものとして,テクノロジーの営みの無意味性を暴露する関係にある。
    テクノロジーの理由である「生活を豊かにする」が幻想であることを,暴露するわけである。