Up 商品経済体制 作成: 2018-11-07
更新: 2018-11-07


    人のいまの<生きる>は,<商品経済体制に生きる>である。
    ひとは,商品経済体制に生きるための幻想を,様々につくる。

    商品経済の系は,ややこしい系である。
    よって,この中で醸成される幻想も,ややこしいものになる。


    商品経済は,どんなふうにややこしいか。

    商品経済は,生活資源が商品になる。
    生活資源は,金で買う。
    <金で買う>をするためには,金を持っていなければならない。
    よって,<金を得る>をしなければならない。
    こうして,商品経済の<生きる>は,<金を得る>である。

    <金を得る>が<生きる>になると,変な<生きる>が続々と出てくる。
    ニッチをさがすからである。

    商品経済は,無くても生きられるものが商品になる。
    これを売るために,策略が用いられる。
    策略の主要部分は,<騙し>である。

    また,<金を得る>は,<100 円の投資で1円の利益を出す>と<1億円の投資で1億1円の利益を出す>が同じになる。
    こうして,高級イチゴの温室栽培,マグロの養殖のようなことが,起こってくる。
    これは,自然資源の蕩尽である。
    自然資源の枯渇が見えていても,蕩尽をやめられない。
    これが,商品経済である。

    商品経済は,<商品回転の上昇スパイラル>が健康な形である。
    経済政策は,これを実現しようとする。
    経済政策は,インフレ政策がこれの健康な形である。


    以上は,どれも無意味なことに見える。
    しかし,無意味を言っていたら生きられない。
    そこで,合理化の機序として,無意味隠蔽の幻想が紡がれることになる。
    そして,商品経済の無意味が多面的である分,幻想も多面的なものになっていく。