Up 創世神話からエスノセントリズムへ 作成: 2018-10-16
更新: 2018-10-16


    共同体は,伝承をもつ。
    共同体はより大きな共同体に括られるが,この包含関係で共同体の階層を上げていくと,<伝承の中に創世神話がある共同体>に至る。
    この共同体レベルで,創世神話をまるまんま信じる民族主義が起こったとする。
    それは,どのようなものになるか。

    創世神話は,神を自分たちに似せて表現する。
    よって,わが共同体は「神の国」となる。
    そして自分たちは「神から選ばれた民」となる。
    ──他の共同体は,派生的にできたもの,したがって元来従属的なもの,という位置づけになる。

    これが,エスノセントリズムである。
    エスノセントリズムは,「わが民族」を「他民族」に対し<格が違う>とするタイプの民族主義である。
    これは,特別な民族主義である。
    どの民族主義もエスノセントリズムであるわけではない。