Up エスノセントリズムの<危険>の構造 作成: 2018-10-16
更新: 2018-10-16


    民族主義は危ない。
    そしてその危うさは,エスノセントリズムにおいて極まる。
    即ち,危険レベルが「破滅」にまで上がる。


    共同体は,「個の多様性」を含蓄する。
    「個の多様性」は,制御されねばならない。
    制御機関を,権力と謂う。

    共同体は,外圧を受ける。
    権力は,外圧の窓口を務める。
    この権力は,「員が一丸となって外圧を撥ね返す」の思いをもつ。
    そしてこれの思いを,員に説こうとする。

    エスノセントリズムは,この権力にとって魅惑的なものになる。
    「一丸」の形,「一丸」の理屈を,それは与えるからである。
    即ち,「神の国」「選ばれた民」。


    エスノセントリズムは,劇薬である。
    しかし,情勢は権力を疲弊させ,疲弊は分別を失わせる。
    こうして,この権力は,劇薬を飲んでしまう。

    エスノセントリストは,少数派である。
    これは,「個の多様性」スペクトラム──それは「天の配剤」みたいなもの──の含蓄である。
    エスノセントリズムを飲むことは,以降「個の多様性」(天の配剤) 潰しが権力遂行の内容になるということである。
    故に,「劇薬」である。


    少数派の思想に総員を従わせる方法は,つぎの2通りである:
    1. 弾圧・粛清
    2. 洗脳

    もともと,「少数派」にはつぎの含蓄がある:
    1. 少数派であることを,自分のアイデンティティにしている。
    2. 権力とつながったときは,「思想改造・不良分子の粛清」の先兵になる。
    少数派は,権力とつながるときには暴走するようになっている。
    そして,ふつうは権力とつながることがないので,穏便に済んでいる。

    エスノセントリズムが危ないのは,権力とつながるような状況が可能性として考えられ,そしてそのときの権力は,弱って分別を失った状態ということになるからである。
    エスノセントリストは,よい。
    他の者は,たまったものではない。