Up 非行者 作成: 2018-09-20
更新: 2018-09-20


       西部邁『六○年安保』, p.11.
     熱狂は大なる確率で非行につながる。
    多数者のとは目立った形で異なる素行、それが非行なのだとすると、否応もなく非行者を模索するのが私の交際法である。 私自身はできるだけ目立つまいと努めるのだが、非行者との縁が私をひきつけて己まないのである。
    実のところ、私の体験した政治とはそうした種類の縁のことなのであった。その意味での政治ならば、物心ついてからずっと私は政治とのつながりを絶ったことがない。
    畢寛してみるに、ブント体験が私にもたらしてくれた最大のものは、非行者との縁を絶つことの不可能を教えてくれた点にある。私がこれから描いてみたいのは、ブントにおいて私が直接にふれあった非行者の群像なのである。


    「個の多様性」を説く者は多いが,その意義を講ずる論にはほとんどお目にかからない。 実際,「個の多様性」の意義の論じ方は生態学的になるのだが,「個の多様性」を説く者は生態学を欠く(てい)である。

    「個の多様性」とは,<自分が活かされる場>が個によって違うということである。
    種が「個の多様性」を孕むのは,種が<遷移>をダイナミクスにして生きるものだからである。

    つぎは, 「遷移」のイメージ:
    • 日本酒づくりは,微生物遷移の利用である:
      (秋山裕一『日本酒』(岩波新書), 岩波書店, 1994)

    • フラスコに水を入れて放置する
      この中に,空気中に漂っている微生物が落ちてくる。
      そしてこれが,フラスコの中に「遷移する生態系」を現す:
      (栗原康『かくされた自然──ミクロの生態学』, 筑摩書房, 1973.

    • 裸地ないし攪乱痕地からの植生の遷移:
      1. コケ植物・地衣類
        陽性1年生植物
        陽性多年生植物
      2. 陽樹
        陰性植物
      3. 陰樹


    「非行者」とは,攪乱期が<自分が活かされる場>になる者である。
    結果的に,攪乱の収束に一定の役割を果たす。
    安定期になると,これは邪魔者になる。
    体制の排斥するところとなる。

      例:ヤクザ