Up 「革命」の構図 作成: 2018-09-16
更新: 2018-11-04


    <生きる>は,<苦労して生きる>である。
    しかし苦労には,程度がある。
    <どうってことのない苦労>から<耐えられない苦労>まである。
    また,個によって感じ方も違ってくる。

    ここに,「耐えられない苦労に耐えている人民」「耐えられない苦労を人民に強いる支配者」を立て,「人民による支配者の打倒」「支配者のいない世界」を説く者が現れる。
    「革命論者」である。


    革命論が現れると,つぎに「革命」のアジテーターが現れる。

    「人民」は,「耐えられない苦労に耐えている人民」だけではない。
    彼らを革命に同調させないと,革命は成らない。
    彼らを革命に同調させるには,どうするか。

    ひとはだいたいが正義漢なので,正義を訴えられると,これになびく。
    アジテーターは,「正義」を用いる。
    抑圧に対し見て見ぬふりをするのは不正義だ」「人民解放の戦いに参画せよ」を説く。

    このアジテーションは同調者を得る。
    こうして党/派が形成される。
    「革命党」というわけである。


    併せて,「革命」の実際行動 (「実践」) に入って行く者が現れる。
    「革命家」である。

    革命家は,「解放」「新体制」の内容に思考停止する者である。
    敵を倒さないうちは話にならない」のロジックで,思考停止を自らに許す。

    敵を倒さないうちは話にならない」の行為は,思想・立場が関係なくなる。
    「敵を倒す」の一点で一致する者は,仲間である。
    そして敵が倒れた後,思想・立場の違いで争うことになる。
    争いに負けた者は,「こんなはずではなかった」を言う(てい)で,舞台から降りていく。